ニデックが開発する理由

「見えないものを見えるようにしたい」。
人工視覚の開発は創業以来の夢であり、目標です。

眼科医療に貢献するテクノロジーを創出する。これが1971年のニデック創業時からの存在理由です。

そしてそれは「見えないものを見えるようにしたい」という想いによって支えられています。

人工視覚の開発は、この想いが究極に具現化されるニデックの創業時からの夢であり、目標です。「人工的に視覚を創出する人工眼」というアイデア自体は、もちろんかなり古くからありました。しかし、1971年の創業当時は、視覚に関する医学的な知見も、まだ現在ほど蓄積されておらず、エンジニアリングの面でも、人工視覚がデザインできるまで進歩していませんでした。アイデアを形にするための、とっかかりすら、まだない状態でした。

しかし、1990年代になると状況は大きく変わってきます。エレクトロニクス技術の目覚しい発展から、高度な機能を有する小型電子装置が次々に登場し、医療機器の分野にも、多くの新しい装置が生まれました。そして通常の治療用や診断用の医療機器に加えて、それまではなかった、インプラント型医療機器の開発にもどんどん挑戦する企業や研究者がでてきました。生物・医学の研究分野でも、技術の進歩によって新しい実験手法や分析手法も多く開発され、それによって視覚に関する知見も飛躍的に増加してきました。

このような背景を受け、ニデックは、いよいよ人工視覚の開発に着手すべき時と判断し、2001年、長年の夢であった人工視覚の研究開発に着手しました。

日本発・日の丸印のイノベーションへのこだわり

ニデックの人工視覚の研究開発は、日本企業としては初めて、そして現在も唯一の試みです。

なぜ日本ではニデックだけが挑んでいるのでしょうか?その理由は、人工視覚の開発の持つ性質にあります。人工視覚の開発には、既存の、あるいは近い未来完成する技術から予測できるような、明確なロードマップや完成図はありません。開発の多くはある意味、自分たちで未知の領域に踏み込みながら進めていくしかありません。

現在の技術的課題が、科学的な発見によって急速に解決される可能性も、また逆に、開発途上で想定以上の課題に遭遇する可能性もあります。しかし、ニデックは、「チャレンジは大きければ大きいほど、面白い。誰もやらない分野にこそ、大きなチャンスがある」、と考える会社です。これがニデック・スピリットである「気概」です。創業以来の夢である「人工視覚」を開発するからこそ見えてくる新境地、そして一緒に世界を相手に挑戦する、多くの共同研究者らとの強いつながりと「気概」の持つ力。日本発の次のイノベーションを目指し、ニデックは今日も、これからも、挑戦し続けます。

ニデック人工視覚プロジェクトのリーダー:小澤秀雄前社長と小澤素生現社長

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