眼の状態を知るためには、眼に関するさまざまな情報が必要です。
これらの情報を得るために、器械を使って調べます。
視力・屈折力を測る



実際にどのくらい見えるのか、目がもっているものを見るための屈折の度合いを測ります。
1.視力検査:実際の見え方を視標で測る
2.屈折力検査:屈折の度合いを赤外光で測る
目の圧力を測る



目にはゼリー状の水(硝子体)が入っており、圧力があります。圧力が高いと目に障害を与えることがあります。
目の長さを測る



白内障を治療するとき、目の長さがどのくらいあるのかを測り、新しいレンズの度数を決めます。
視力・屈折力を測る
眼科に行くと、多くの方が次の2つの検査を診察前に受けます。それぞれ、どのような検査なのでしょうか。
■ 視力検査: 実際の見え方を視標で測る
「ランドルト環」と呼ばれるアルファベットの「C」に似た環(視標)を見て、どの方向に切れ目があるかを確認しながら視力を測ります。
視標には、ランドルト環だけではなく、絵や文字、数字、記号、赤や緑の背景に○印が書かれているものなど、たくさんの種類があります。
それぞれに用途があり、小さな子どもさん向けの絵や、メガネレンズの矯正具合を測るもの、両眼でバランスよくものを見ているかを調べるものなど使い分けをします。
■ 屈折力検査: 屈折の度合いを赤外光で測る
私たちは、外から入ってくる光を眼の奥にある網膜の細胞が電気信号として脳に伝え、映像を作り出します。
物をはっきりと見るためには、ピントが網膜の上に合っていなければなりません。
しかし、網膜より手前、あるいは後ろにピントがあってしまうと、ものがぼやけてみえます。
これは、光の屈折の度合いが違うためで、一般的には近視・遠視・乱視と言われています。
検査の原理は、赤外光を鏡で反射させて網膜に当てます。網膜にあたって反射した光を集めて円形のリングにして、 あらかじめ器械で計算したおいた理想の円形と、 測ったリングの形と比較して、眼の持っている屈折度数を計算するものです。
この数値をもとに、視力矯正に必要なメガネ等の度数を計算します。
眼の圧力を測る
眼科で、眼に空気を当てる検査を受けたことはありませんか?
これは、眼の圧力(眼圧)を調べる検査で、眼の異常を知るための大切な検査の一つです。
なぜ眼圧が高くなるかというと、栄養素を補給するために分泌される「房水(ぼうすい)」が正常に流れず、眼の中にたまってしまうからです。 眼圧が高いと、眼の奥にある視神経を圧迫して痛めてしまう可能性があります。
眼圧を測るには、眼に直接測定器を当てて測る「接触式」のものと、眼に空気を当てて測る「非接触式」のものがあります。 空気を当てて測る非接触式は麻酔が不要で、定期健診や人間ドックなどで良く使われています。当社では、この非接触式を開発しています。
眼圧が高いと、緑内障の疑いが考えられます。緑内障は、視神経が障害され視野が狭くなる病気で、眼圧が高くなることによるものと、 眼圧が正常範囲であっても同じような症状があらわれるものがあります。
失明原因の1位(*1)で、早期発見・早期治療を行うことは、失明の危険性を減らすためにも大変重要です。
*1:出典 “わが国における視覚障害の現状”(平成17年度調査、中江公裕他)



音の大きさや空気の当て方を改善しています。
眼の長さを測る
眼の中にある調節レンズである「水晶体(すいしょうたい)」がにごる病気を、「白内障(はくないしょう)」といいます。 ものがかすんだり、二重に見えたり、まぶしく見えたりし、さらに進行すると視力が低下します。 原因はさまざまですが、主に加齢によるものです。
にごった水晶体を人工の新しいレンズに変えるとき、眼の長さを測ることで、どの度数の人工レンズが良いのかを計算します。 眼の長さである「眼軸長(がんじくちょう)」は、超音波を使って測ります。測り方は、眼に超音波をあて、角膜から網膜までの波形を調べ、波形から各組織の位置を特定し、それぞれの距離を計算し、度数を計算します。