キヤノンスターとニデックが白内障治療用挿入器具一体型眼内レンズ“アクリル・プリセットIOLシステム”を製品化
2006.06.13
キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノンスター株式会社(社長:デヴィッド・ ベイリー)と、株式会社ニデック(社長:小澤 秀雄)は、白内障治療用の挿入器具一体型 眼内レンズ“アクリル・プリセットIOLシステム”の製品化を実現しました。
両社は昨年6月に、お互いの得意技術を融合させた“アクリル・プリセットIOLシステム” を共同で製品化するための基本契約を締結し取り組んで参りましたが、ここに製品化を 果たしました。この製品は「J-IOL」という共通コンセプトの下、国内メーカー2社のコラ ボレーションという新たな試みで生まれたもので、準備が整い次第、両社それぞれのブラ ンド・販売チャネルで発売する予定です。
キヤノンスターは、眼内レンズ(IOL)と挿入器具を一体化した「プリセットIOLシステム」 を2002年に製品化しています。「プリセットIOLシステム」は、眼内レンズが専用挿入器具に あらかじめ装填されているため、いままで医師にとって大きな負担となっていた、 眼内レンズを容器から取り出し挿入器具に装填して折り畳んで挿入するという複雑な操作を 解消します。また、眼内レンズに全く触れることなく直接眼内へ挿入できるので、 より清潔な状態で手術を行うことが可能なだけでなく、使い捨てタイプなので使用後の挿入 器具をそのまま廃棄でき、医療施設内での挿入器具の洗浄や滅菌などの作業が不要になりま した。さらに、小さな切開から眼内レンズを挿入できるため切開部を縫合する必要がなく、 手術時間の大幅な短縮によって患者の負担を軽減するなど、好評を得ています。
ニデックは眼科総合機器メーカーで、2004年より自社開発の眼内レンズ「普及型アクリルIOL」 を発売しています。ニデックの疎水性軟質アクリルは、アクリル素材の中でも柔軟性が高く、 形状回復が早く折り曲げが容易で、挿入時の鑷子(ピンセット)での取り扱いに優れる表面特性 などの特徴を有しており、その臨床実績から好評を得ています
ニデックは1997年からキヤノンスターの製品を販売する関係にあり、両社の得意技術を 持ち寄り、“アクリル・プリセットIOLシステム”を製品化しました。これにより、 レンズ素材特性を生かしたより良い術後視力を、優れた挿入器技術で安全かつ確実に患者に 提供することが可能となり、白内障治療分野での広範な市場浸透が期待できます。
なお、両社によるこの“アクリル・プリセットIOLシステム”は、2006年6月16日〜18日に 東京国際フォーラムで開催される「第21回日本眼内レンズ屈折手術学会」で発表する予定です。
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