Eye & Health Care NIDEK CO., LTD.

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ニデックのご紹介

第1回 見えない“網膜”を見えるように


 

光干渉断層計 RS-3000の開発

医療機器開発部 診断機器開発部課長 磯貝

※所属・役職は掲載時のものを使用

2009年夏、網膜の観察をおこなうための「光干渉断層計 RS-3000」を発売し、各国から大きな反響を得ています。 光干渉断層計で使われる測定原理の一つは「OCT(Optical Coherence Tomography)」とよばれ、赤外光で目の奥にある“眼底”をスキャンし、高精細な画像や断層像にするものです。 「見えないものを見えるように」するための試行錯誤の様子や、当社の開発にかける想いを開発者へのインタビューを通じて紹介します。

“烏合の衆”でのスタート

Q. 開発がどのようにスタートしたのか、また、製品の概要を教えてください。

「光干渉断層計RS-3000(以下RS-3000)の開発は、2006年頃から要素技術の開発をスタートしました。本格的な開発を始めるにあたり精鋭メンバーを集結しましたが、私も含めて網膜自体や測定に用いるOCTを知らない、いわば"烏合の衆"でスタートしたことを覚えています。」
―OCTとは、痛みや危険を伴うことなく、測定対象物の断層を画像化する技術であり、RS-3000はこのOCT技術を用いて目の奥(眼底)にある網膜の断層像を画像化する装置です。 既存の眼底カメラでは、網膜の正面からの像しか得られませんでしたが、OCTでは今まで見られなかった網膜の断層像や3D画像を高い精度で得ることができます。 このため、病気の早期発見・進行や治療効果の解析を正確におこなうことができるようになりました。
「目の病気にはさまざまなものがありますが、例えば、日本人の失明原因に多い緑内障や、加齢黄斑変性、黄斑円孔などの診断に役立っています。 網膜の病気では、ある日突然、視力が落ちたり、真っ直ぐ見えていた線が歪んで見えたりすることもあります。 こうした病気の診断のため、OCTは今後の眼科医療分野になくてはならない器械になるでしょう。」


プレッシャーとの闘いの中で


Q. 新製品の開発には困難があると思います。その中で、何を目指して開発したのですか?

―開発がどのようにスタートしたのか、また、製品の概要を教えてください。
「既に競合メーカーが同種製品を販売開始していたため、開発には多くのプレッシャーがありました。 『この程度の性能なのか』と言われないために、基本性能で最高レベルを目指しましたよ。
RS-3000の特長は、画質・スピード・操作性の3つです。 これらの精度を高いレベルで実現し、バランスを取ること。 目標としていた高い基準をクリアするために妥協せず、欲張りました。
当社の器械は全体的に操作性が良いと定評があり、RS-3000にも他の検眼器で培った操作性の良さを取り入れています。 看護士や検査技師の方にも使いやすいと好評ですし、最近、海外から来社したドクターは、“2分で操作を覚えられるほど簡単だ”と驚いていましたね。」


製品化の瞬間が新たな開発のスタートに


Q. プレッシャーを乗り越えて新製品を発売した時には、ホッとしたのではないでしょうか?

「無事に発売できたときは、ホッとしたというよりも緊張感が増しました。製品開発は、子育てのようなものです。 今までは発売に向けて一生懸命、つまり産むのに必死でしたが、産まれた子どもの顔を見た後は、『この子(RS-3000)をしっかり育てていかなければ!』 というマインドに変わる。
製品化出来た瞬間から新たな開発のスタートとなり、次に開発をすべきテーマが山積みでした。 ただ、開発チームメンバーの成長も著しかったので、『これならいける』とも思いました。 メンバーそれぞれが、“RS-3000をどう育てるべきか”を意識して新たな目標に向かっていましたし、それぞれのベクトルが一つの方向へ集まり、チーム全体が有機的に動き出すのを感じました。
目標通りの基本性能で製品化できたこと、それが開発チームをはじめとする関係者全員の成果として感じられたことはとても嬉しかったです。 自分は、本当に多くの人に助けられているのだと実感しました。」


“マグロ体質”でさらなる進化を


Q. 今後の目標や大切にしていることは何でしょうか。

「これからは、まずはRS-3000の解析ソフトを充実させるために開発を進めます。 OCTは一度に多くの画像情報が得られるので、幅広い応用や発展が見込まれます。その次は、さらに進化したOCTを作りたいですね。 そして、どの器械を開発するときも大切にしていることは、“検査される人と検査する人が、この装置で良かったと、心底思ってもらえること”。 いつも、これを目指しています。」
―基本的に”忙しいのが好きだ”という磯貝は、暇になると心配になるとのこと。
「マグロのように、泳ぎ続けないと死んでしまうというか、そういう体質になってしまいました。 ニデックは、そういう人間を育てるところなのかなと思います。 ずっと製品を触っていたい、有形のものを残したいという想いは、これからも変わることはないでしょうね、きっと。」
―新製品の開発直後でも新たな課題に挑戦するマグロ集団は、今後も世界の海で泳ぎ続けます。

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