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ニデックのご紹介

第2回 特許を超えた開発


 

省スペース視力表 SSC-370開発

機器開発二部 開発六課課長補佐 金澤

※所属・役職は掲載時のものを使用

皆さんは視力を測るとき、ランドルト環とよばれるCのようなマークを見たことがあるのではないでしょうか。実は、あのランドルト環や視力測定の環境、また視力を測定する機器には、国際的に定められた基準があります。基準のひとつに、視力表から被検者までの距離を5mとすると定められています。視力検査がおこなわれる眼科や眼鏡店で、視力表から5mの距離を確保することは難しい場合もあります。特に、都心や限られたスペースに設置したいなど、状況はさまざまです。そこで開発されたのが、短い距離で測ることができる省スペースの視力表です。
今回は、視力表の開発にまつわるエピソードをご紹介します。

出遅れたスタート

Q. SSCが開発された当時のことを教えてください。

初めて省スペースの視力表を開発したのは、海外の他社さんです。当時、当社でも省スペースの視力表を開発することを考えていましたが、測定精度のレベルや価格が高くなることから、開発をしないことを決めていたのです。当社が開発を諦めた中、また別の他社さんが、省スペース視力表の開発と販売を実現させました。他社さんが省スペースの視力表を発売したときには『やられた』と思いましたね。心底悔しい思いをしたことを、今でも鮮明に覚えています。それから、当社も省スペース視力表の開発をスタートしました。

挑戦と新たな技術の創出

Q.SSCを開発する中で、壁となったのはどんなことでしたか。

いざ、当社独自の省スペース視力表を開発しようとするとき、大きな壁となったのは、特許です。他社さんが、測定距離は基準である5mを保ちながらも被検者の眼から装置までの距離を5mから0.9mにすることができた技術には、特許が申請されていました。特許技術を用いず、優れた製品を作るという課題への挑戦です。その課題を克服することは困難でしたが、特許という制限があった方が難しいことに挑戦できてやりがいがあるという心持ちで挑むことにしました。


Q.特許という壁をどのように乗り越えたのでしょうか。


研究を進める中で、特許が申請されている技術や既存の技術にとらわれず、考え方を変えたり、新しい取り組みをおこなうことで、新たな技術を創出しました。そして、新たな技術を製品に活かすことで、当社独自の製品をつくりました。約40cm(横)×27(縦)cm×56cm(高さ)の大きさの省スペース視力表の中には、ミラーが設置され、そのミラーで光の方向を変化させることで、被検者の眼から装置までの距離を5mから0.9mに縮めています。当社は、要となるミラーの配置、向きに着目しました。ミラーの配置や向きを変えることで、ミラーを上下に振れるスペースを確保することができました。ミラーが振れるということは、反射させる光の通る道を調節するということです。この技術を応用し、ランドルト環などの視標を被検者の目の高さに合わせる工夫をしました。

想いが叶う

Q.当社独自に開発した視力表は市場でどのように評価されましたか。

たまたま、ある眼科の先生が、"当社のSSCが本当に5mの距離を0.9mにすることができるのか、本当に測定基準が守られているのか"を調べ、守られていることを証明した論文を作成してくださいました。この論文のおかげで、先生方から信頼を得ることができ、また、実際にSSCを採用してくださった先生からは、良い評価を得ることができました。そして、驚くことに、先行していた他社さんが当社のSSCを真似しようと必死に研究をしてくださったのです。他社さんに先行されてスタートした省スペースの視力表の開発では、他社さんに追いつき、追い越したいとつねに思い続けていました。「認められた」と実感した瞬間でした。


次は“初”を


Q. 今後の目標は何でしょうか。

これまでは、アイデアや新技術について他社さんに先行され、悔しい思いをしました。そのたびに、他社さんに追いつくように研究を進め、そして、時には他社さんを勝ることができました。しかし、今後は、画期的なアイデアや新技術を打ち出すのが当社でありたいです。"初"を生み出し、眼科業界を牽引していきたいです。


今までにないものを生み出すことは、熱心な研究、豊かな創造力、新しい発見、そして時として勇気が必要です。“初”を早期に創出できるよう、日々邁進していきます。


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