Vol.18 目に入る光と睡眠の質

最近よく耳にするブルーライト。夜にブルーライトがたくさん目に入ると、睡眠のリズムに悪影響を与えるとも言われています。 では、目に入る光が睡眠の質を悪くするとはどのようなことでしょうか。
今回は、目に入る光と睡眠の質について紹介します。

眠気を誘うホルモン「メラトニン」

夜になると眠くなり朝になると目覚めるのは、体内時計によって体のリズムがコントロールされているからです。この体内時計を、24時間という地球の自転に合わせてくれるのが、脳から分泌される「メラトニン」というホルモンです。 このメラトニンは、脳に働きかけて眠気を引き起こす働きがあります。メラトニンの分泌は、一日のうち太陽光を目に取り込んでから14時間後に始まります。私たちは、朝に太陽光を浴びて目に光を取り込むことで、メラトニンの分泌を規則正しいものにし、体内時計を調節しているのです。

ブルーライトは目覚ましの光

ブルーライトは、可視光(人の目に見える)の中で紫外線に近い(380~500nm)青色の光で、角膜や水晶体で吸収されずに目の奥の網膜まで届く強い光です。特にLEDを使ったパソコンやスマートフォンはこの光が多く発せられています。
私たちの体は、朝にブルーライトを豊富に含む太陽光を目に取り込むことで、日中の活動に合った状態に切り替わります。 しかし、夜遅くまでパソコンの画面を操作していると、画面から発せられるブルーライトが目を刺激して、いつまでも昼間の状態が続いていると認識して、メラトニンの分泌が抑制されます。 このように、ブルーライトが体内時計を狂わせることが、睡眠の質を落とす要因の一つになります。

しかし、ブルーライトが必ずしも悪者というわけではありません。目に入る光の量と時間を意識していれば、睡眠に悪影響を与えません。 先述したように、朝はブルーライトを含む太陽光を目に取り込むことでスッキリと目覚めることができます。そして夜は、なるべく就寝の2時間前にはブルーライトを浴びることを避け、気持ちよく眠れるようにしましょう。

目に入る光を意識して、夜はグッスリ朝はバッチリの生活を心がけましょう!

【 参考文献 】
「起床術」 梶村尚史 河出書房新社
「熟睡する技術」 古賀良彦 メディアファクトリー
「奇跡のホルモン メラトニン」 ラッセル・J・ライター 講談社

一覧へ戻る