「STS型人工網膜システム」の企業治験実施のお知らせ ~重症の網膜外層変性症患者を対象とした治験を開始~

2026.09.11

当社は、重症の網膜外層変性症(網膜色素変性症等の遺伝性網膜疾患およびその類縁疾患)の患者様を対象とした、STS(*1)型人工網膜システムの国内初となる企業治験において、これまでに2例の埋植手術を実施したことをお知らせいたします。

 

網膜色素変性症をはじめとする重症の網膜外層変性症は、網膜の視細胞の働きが少しずつ低下し、見え方がゆっくりと変化していく疾患で、進行すると失明に至る場合があります。一方で、重症患者に対する治療選択肢は限られており、新たな治療法の開発が期待されています。

当社は、「見えないものを見えるようにしたい」という想いのもと、2001年より人工網膜システムの研究開発に取り組んでまいりました。大阪大学をはじめとする複数の大学や国の研究機関と連携して研究開発を推進し、このたび治験を開始しました。

 

STS型人工網膜システムは、残存する網膜神経細胞に電気刺激を与えることで視覚情報を脳へ伝達し、視機能の再建を目指す医療機器です。

本治験は、重症の網膜外層変性症患者を対象として、STS型人工網膜システムを埋植し、長期安全性および埋植後の視機能改善効果を評価することを目的としています。

 

2026年3月および7月には、大阪大学医学部附属病院において、2例の埋植手術を実施いたしました。大阪大学とは、人工網膜システムの実用化に向けて長年共同研究を進めており、これまでの大阪大学主導でおこなわれた亜急性臨床研究(*2)および慢性臨床研究(*3)を経て、本治験の実施に至りました。現在は患者様の安全を最優先に経過観察を継続しており、今後も順次埋植手術を予定しております。

 

*1:Suprachoroidal Transretinal Stimulation (脈絡膜上経網膜刺激方式)

*2:約1カ月間、人工網膜システムを生体に埋め込む臨床研究

*3:約1年間、人工網膜システムを生体に埋め込む臨床研究

 

1.本治験の概要

治験名 進行した網膜外層変性症に対する脈絡膜上-経網膜刺激(STS)法を用いた人工網膜システムの臨床試験
対象疾患 重症の網膜外層変性症(網膜色素変性症等の遺伝性網膜疾患およびその類縁疾患)
実施施設および治験責任医師 大阪大学医学部附属病院(森本 壮 先生)

愛知医科大学病院(太田 直道 先生)

杏林大学医学部付属病院(厚東 隆志 先生)

目標症例数 6例
初回埋植 2026年3月

 

2.今後の予定

2027年中を目途に全症例への埋植完了を予定しております。その後、長期安全性および視機能改善効果に関するデータを収集し、製造販売承認申請に向けた準備を進めてまいります。

 

3.関連情報

人工視覚の研究開発 ニデック

 

当社は今後も「Invisible to Visible 見えないものを見えるようにする」という創業以来の想いのもと、みる喜びと健康を技術で支え、視覚に課題を抱える患者様のQOL向上に貢献する製品・技術の開発を推進してまいります。