これまで、そしてこれから

ゴールは失われた光を取り戻す装置を実現する。
人工視覚の実用化を目指し、日々開発に取り組んでいます。

これまで

2001年から開発を開始した人工視覚。システムを構成するそれぞれのデバイスに、何度も試作、実験、検証を繰り返し、ひとつひとつ、要素技術を積み上げながら、最終的なシステム開発を推進しています。特に、体内にインプラントする装置は、大学との共同研究を中心に、各種試験で慎重に安全性の確認を繰り返しながら開発しています。

2005年、2008年には、STS方式人工網膜システムの刺激方式の安全性と有効性を確認するため、研究開発パートナーである大阪大学医学部との協働により、手術室内で短時間の刺激をおこなう急性臨床試験が実施されました。

続いて2010年の亜急性臨床試験では、STS方式人工網膜システムの試作機を約1ヶ月間、患者さんに使ってもらう試験をおこないました。

その際に得られたさまざまな評価結果をもとに、49極のSTS電極を含む、より長期動作できるシステムデバイスを開発し、2014年からは約1年間、患者さんにデバイスを埋め込む慢性臨床試験を実施。前回の亜急性臨床試験と同様に、システムを実際に使ったときに得られる視覚を評価する機能評価試験にて、患者さんの眼の前に提示した物体を使った試験や、白線に沿った歩行試験などを行いました。これらの機能評価試験で得られた多くのデータや、術後の検討結果を踏まえて、現在はSTS方式による人工網膜システムの上市モデル開発を推進しています。

現在、そしてこれから

これまでの結果をもとに、現在はシステム装置の完成度を上げるための開発をおこなっています。次は、より長期間デバイスを埋植する治験を実施し、システムの実用化にさらに一歩、大きく近づく予定です。

研究開発パートナー

人工視覚の開発は医工連携の国家プロジェクトとして2001年に発足し、現在も大阪大学医学部、奈良先端科学技術大学院大学などの研究機関との緊密なパートナーシップのもと、推進されています。

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