気球の基礎知識

熱気球の構造

熱気球は大きく分けて、球皮、バーナー、バスケットに分けられます。

バーナー

炎を焚き浮力を得る加熱装置で、エンジンの働きをする部分です。浮力を作りだすのに、プロパンガスを強制的に気化させたガスを燃やす方法とサイレントと呼ばれるプロパンガスを不完全燃焼させる方法があります。サイレントは浮力が小さく、使用時に音が小さいため、住宅街の付近を運行する際に使用します。ガスが入ったシリンダー20kgのガスで約40分ほど飛行します。

球皮

ナイロンやポリエステルなどの化学繊維でできたパネルを縫い合わせて袋状にしたものです。バーナーに近い部分は熱に強いノメックス等の耐熱素材でできており、天頂に近い部分はナイロンでできています。周囲にロードテープとよばれる荷重をさせるためのテープが縦に取り付けられています。球皮の天頂部にはリップパネルとよばれる排気口の役割をするものが取り付けられています。

バスケット

人が乗り、燃料を搭載する部分で、ラタン(籐)や柳を編みこんでできています。軽量である一方強度があり、衝撃を吸収するようにできています。

熱気球の競技

熱気球の競技(タスクといいます)は、どれだけ正確にゴール地点へ近づけるかを競います。ゴール地点へマーカー(重さ約70gの砂袋に吹流しが付いたもの)を落とし、マーカーとゴールの距離を競います。タスクごとに、スタートの方法やゴール地点までの到達方法が異なり、1回のフライトで2つ以上のタスクをこなすこともあります。熱気球グランプリでの競技規定では、20種類のタスクが定められています。

主なタスク
  • ジャッジ・デクレアド・ゴール:競技委員会が指定したゴールを目指す。
  • パイロット・デクレアド・ゴール:飛行前にパイロット自身が宣言したゴールを目指す。
  • フライ・オン:飛行中上空でパイロット自身がゴールを決めて、ゴールを目指す。
  • エルボー:大きく進路を変更して飛行する。

参考

日本気球連盟 パイロットハンドブック第3版