キヤノンスター株式会社と白内障治療用挿入器具一体型眼内レンズの共同開発で合意
2005.06.02
このほど、キヤノン販売グループのキヤノンスター株式会社(社長:デヴィッド・ベイリー)と、株式会社ニデック(社長:小澤 秀雄)は、キヤノンスターの白内障治療用の挿入器具一体型眼内レンズ「プリセットIOLシステム」とニデックのアクリル眼内レンズを融合させた”アクリル・プリセットIOLシステム”を、共同で製品化するための基本契約を締結しました。
キヤノンスターは、眼内レンズ(IOL)と挿入器具を一体化した「プリセットIOLシステム」を2002年に製品化しています。 プリセットIOLシステムは、従来のIOLを容器から取り出し挿入器具に装填して折り畳んで挿入するという複雑で医師にとって大きな負担となる操作を解消し、加えてIOLを外気に全く触れることなく直接眼内へ挿入できるので、より清潔な状態で手術を行うことが可能です。 また、使い捨てタイプなので、使用後の挿入器具をそのまま廃棄でき、医療施設内での挿入器具の洗浄、滅菌などの作業が不要になりました。 さらには、小さな切開から眼内レンズを挿入できるため、切開部を縫合する必要がなく、手術時間の大幅な短縮を実現し、患者の負担も解消します。
一方、ニデックは眼科総合機器メーカーで、2004年より自社開発の普及型アクリルIOLを発売しています。 ニデック社製疎水性軟質アクリルは、アクリル素材の中でも柔軟性に富み、形状回復の早さ、折り曲げの容易性、挿入時の鑷子(ピンセット)での取り扱い性に優れる表面特性などの特徴を有しており、それらのトータルでの性能が問われる治験成績などからも、今後の臨床での長期にわたる評価結果に期待が持たれる製品です。
ニデックは1997年からキヤノンスターの製品を販売する関係にあり、このほど両社の得意技術を持ち寄り、”アクリル・プリセットIOLシステム”を共同で製品化することになりました。 これにより、レンズ素材特性を生かしたより良い術後視力を、優れた挿入器技術で安全かつ確実に患者に提供することが可能となり、白内障治療分野での広範な市場浸透が期待できます。
なお、両社によるこの”アクリル・プリセットIOLシステム”は、2005年6月17日〜19日に国立京都国際会館で開催される「第20回日本眼内レンズ屈折手術学会」で発表する予定です。
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