新素材を使った「ハイブリッド・ハードコーティング剤」開発
2008.08.26
株式会社ニデックは2008年8月26日、京都工芸繊維大学 山田教授との共同研究による新材料「アクリル系ハイブリッド材料」をベースに、新しいハイブリッド・ハードコーティング剤を開発し、実用化に向け、試作品の評価段階に入ります。
この新材料は、有機材料(アクリル樹脂)と無機材料を分子レベルで複合化したものです。 特長の一つに表面硬度の高さがあり、アクリル基材にハイブリッド・ハードコーティングを施した場合、その表面は、鉛筆硬度で8Hを示します。 また、透明性にも優れ、衝撃に対する耐久性も兼ね備えており、プラスチック製品の安全性向上につながるものです。
ポリカーボネート樹脂、耐熱性の低い材料にコーティングすることも可能であり、ディスプレイ、光学材料、眼鏡レンズ、フィルム分野への応用が期待されます。
本開発は、京都工芸繊維大学大学院・工芸科学研究科 山田保治教授との共同研究によるものです。 また、実用化レベルの開発にあたり、財団法人 科学技術交流財団の共同研究推進事業の研究助成を受けております。
<参考資料>
アクリル系材料について:
PMMA(ポリメタクリル酸メチル)は有機ガラスとも言われ、透明性樹脂の代表的なもの。 ディスプレイ材料、プラスチックレンズ、水族館の水槽などに使用されている。
ハイブリッド材料について:
有機材料と無機材料を分子レベルで複合化した材料。 無機材料には、シリカ、ジルコニア、チタニア等が挙げられる。
ハードコーティングについて:
ガラスの代替としてプラスチックを利用する場合、傷を防ぐために被膜による保護を行うもの。
鉛筆硬度について:
コーティングを施していないアクリルの鉛筆硬度は2H、ガラスは9Hと言われている。
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